ハラスメントと不適切な行動

「不適切な行動」や「ハラスメント」という用語は、個人にとって、攻撃的、軽蔑的、または屈辱的なものととらえられる行動、慣行、発言を指し、その人に心理的または身体的な危害を及ぼす可能性のあるものです。こうした行為はいずれも、グループの倫理基準に沿ったものではなく、咎められるべきものです。

とはいえ、こうしたさまざまな行為における段階的な差を明確にして、「不適切な行動」と「ハラスメント」を区別する必要があります。「ハラスメント」はより重大な問題です。

以下の判断基準などを用いることで、これら 2 種類の非難すべき行動を区別することができます。

  • 行動または発言の重大さや強さ。一般的に下手なジョークは、直接的な中傷と同じほどの影響力をもちません。
  • 行動や言葉の繰り返しや長さ。一回の行動で十分にハラスメントとみなされるものもあれば、繰り返し行われることによって、問題として十分に影響が強くなるものもあります。一見無害に見えるような発言または身ぶりも、繰り返されればハラスメントになる場合もあります。不適切な行動を行ったと注意されたにもかかわらず、こうした注意を聞き入れなければ、問題の要素となります。
  • 行為を行った人の組織での役職:役職がより高い人が、相手に非難されるべき行動を取れば、(ストレス、不安、ネガティブな思考など)その影響力はさらに大きくなるため、問題の要素となる可能性があります。
  • 行動の状況:問題要素の例には、他の人が見ている前で、または相手が(身体的または精神的に)弱っているときに、その人に対し、ネガティブな発言または身ぶりを行ったりすることがあります。

モラルハラスメント、セクシャルハラスメント、不適切な行動

人へのモラルハラスメントは、人の身体的健康や精神的健康、または今後のキャリアに害を及ぼしうる、労働環境での悪影響をもたらすことを目的とした、またはそのような効果をもつ、発言または行動を指します。

セクシャルハラスメントは、下品な、屈辱的な、敵意のある、または攻撃的な状況を生むような、セクシャルまたは性差別的な発言または行動を人に押しつけること、また、仕事上の便宜を図るために、性的な行為を行う目的またはそのように見える態度で圧力をかけることを指します。

不適切な行動は、屈辱的、攻撃的、または下品な発言または行動、より一般的に、グループの倫理基準や価値観(特に I CARE リーダーシップモデル)に反する発言または行動を指しますが、特に上記の判断基準に関して、ハラスメントと判断するほどの重大性および/または結果の基準に達していないものです。

不適切な行動およびハラスメントは、人に影響し、仕事に関連したあらゆる状況において発生する可能性があります。これは、社外での活動においても例外ではなく、 会社が後援するイベントや出張、電子的なコミュニケーションも対象となります。 ハラスメントは、法律により罰せられる可能性があるものであり、2020 年 6 月より国際労働機関(ILO)条約第 120 号が適用されています。

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例

不適切な行動またはハラスメントとみなされうる行動の例

  • 誰かを怒らせたり、屈辱を与えたり、侮辱したり、品位を落としたり、絶えず批判したりする
  • 誰かを脅迫したり、圧力をかけたり、脅迫したり、怒鳴ったり、あざけたりする
  • 誰かに不当な圧力をかけたり、達成するのが不可能な目標を意図的に設定したりする
  • 意識的および意図的に誰かにミスをさせるように仕向ける
  • 誰かを物理的または社会的にチームの他のメンバーから隔離する
  • 通常は提供される、利益になることや仕事上の決定(シフト、休暇期間、昇進、トレーニングなどの選択)から誰かを除外する、または、誰もやりたくないような仕事や通常業務とは関係のない仕事だけをやらせる
  • 理由もなく誰かの責任やタスクを撤回したり、他の人に回したりする
  • 他人との不快な身体的相互作用(背中を叩く、抱きしめる、誰かを押す、個人的な空間に侵入するなど)

会社内で大規模に発生するプレッシャーと恐怖に基づく構造再編やプロジェクトなどの管理方法は、「制度的嫌がらせ」と見なすことができる

 

不適切な行動またはセクシャルハラスメントとみなされうる行動の例:

  • 過度または不適切な身体的接触(誰かの身体の親密な部分に触れる等)、絶えず誰かを見つめる等
  • 性的な提案や招待を行う、または、下着や香水などの不適切な歓迎されない贈答品を一方的に与える(物理的、口頭、または電子的手段により)
  • 人の身体特性、性的属性、私生活について、望まれないコメントや質問をする
  • 昇進や職務上の利益を得るために、デートなどの招待や性的な申し出を受け入れるかどうかに依存する状態(このような状態は常にハラスメントとみなされる)

価値観と原則

ミシュラングループは、すべての従業員が障壁や恐怖を感じることなしに自分自身を成長させることができる、協調的で共同的、安心かつ安全な職場環境の確保に取り組んでいます。ミシュランは、ハラスメントが人の尊厳に悪影響を及ぼし、人の心理的および肉体的健康、およびウェルビーイングに深刻な影響を及ぼすと共に、敵対的な職場環境を生み出す可能性があることを認識しています。

したがって、グループは人に対するいかなる形のハラスメントも容認しません。かかるハラスメントとは、手段(物理的、視覚的、またはデジタルコミュニケーションチャンネル)にかかわらず、職場での性的または心理的なもの、または業務に関連する外部の利害関係者(候補者、サプライヤー、顧客、パートナー、ディーラー、訪問者)に対するものを含みます。相手に対して指示を与える立場にある者がハラスメントを行う場合、深刻なハラスメントの状況にあるとみなされます。ハラスメントと認定されたいかなる行為も処罰の対象となるものとします。

グループの倫理基準や要件に反する不適切な行動もまた禁止されています。このような行動もまた、その発生状況に応じて、該当する処分が下されます。

ミシュランは、ハラスメント加害者の社内での立場に関係なく、ハラスメントに対するゼロトレランスポリシーを

明確に示しています。また、ミシュランは、従業員とその主要な利害関係者のために、アクセスしやすく公正かつ秘密裡に行える苦情処理のためのチャンネルを設置しており、ハラスメントまたは不適切な行動の被害者または目撃者であるすべての人が都度適切な報告を行うように求めるものです。この取り組みは、あらゆる人が完全な自信をもって懸念を表明できる環境を推進し、グループは、誠意を持ってハラスメントの事例を報告するすべての人を報復から保護することを約束します。

グループは、調査中に起こりうる利益相反を回避するための適切な措置を講じ、すべての事件を秘密厳守かつ迅速、公平、入念、真剣に扱うことを約束します。グループは、あらゆる形態の証明されたハラスメントに関する処罰を行い、証明された不適切な行動については、状況に応じた是正措置を講じることを約束します。

ミシュランは、すべてのリージョンでハラスメントの予防と特定のための対策を講じ、この規定および ICARE リーダーシップモデルに従って模範的な態度を促進すると共に、職場における不適切な行動について、チーム内でオープンな対話を主導できるようにマネージャーと人事担当者への定期的なトレーニングを実施します。このトレーニングは、マネージャーと人事部の従業員が、正しくない行動を特定し、ハラスメントまたは不適切な行動に関する報告が真剣かつ効果的に扱われるようにすることを目的としています。

また、ミシュランは、企業変革プロジェクトがいかなる形の制度的嫌がらせを引き起こさないことにも注意を払い、

関連する予防策の策定に従業員を参加させます。

内部調査により、不適切な行動、セクシャルハラスメントまたはモラルハラスメントを受けたことが確認された人は、職業上および個人的な権利回復を受けるものとなります。

毎年、ミシュランは、透明性のある方法で、ハラスメントまたは不適切な行動の報告、対応措置または制裁措置の件数を報告し、人々の匿名性とその情報の機密性を常に守るように注意を払っています。

全従業員

しなければならないこと

  • 不適切またはハラスメントとみなされるようないかなる行動も取らない
  • 電子ツール(電子メール、ビデオ、SMS など)での連絡中を含め、職場で出会うすべての人に敬意を表する態度をとり、敬意を表する言葉を使用する。
  • 他の同僚のウェルビーイングに注意を払い、不快に思われる状況を察知し、不適切またはハラスメントとなるような行動に対応する
  • 自分が被害者であるか目撃者であるかにかかわらず、ハラスメントまたは不適切な行動であると思われる状況を、自分のマネージャーもしくは別のマネージャー、人事部、予測・防止・保護部、法務部、従業員代表、会社の医療担当者、またはリージョンコンプライアンス責任者に、倫理ホットラインを通じて報報告する。

してはいけないこと

  • 一見無害またはユーモラスに見えても、人を軽蔑したり、傷つけたり、嫌な思いをさせたり、誰かの意見を却下または軽視したりするコメントをしたりジェスチャーを取ること。
  • 相手が興味を示さないか拒否した場合に、相手に対してデートの申し出や性的なことに興味を抱かせようとすること。

マネージャー

しなければならないこと

  • 対話とすべての問題の表明を奨励できるような、人を尊重するカルチャーを作り維持していく。
  • チームメンバーが管理方法にどう反応するかに注意を払い、彼らのコメントを考慮に入れる。
  • ハラスメントまたは不適切な行動が発生した場合の報告を行うために可能な方法を従業員に周知するとともに、適切なサポートを提供する。
  • 従業員がハラスメントまたは不適切な行動に当てはまると思われる状況について、従業員がこのような被害を受けた当事者であるか目撃者であるかにかかわらず報告するよう奨励する。
  • ハラスメントまたは不適切な行動が疑われる報告について、倫理ホットライン、人事部、自身のマネージャーに報告する。従業員はまた、予測・防止・保護部、法務部、リージョンコンプライアンス責任者に報告することもできます。
  • 無意識なものも含め、ハラスメントまたは不適切な行動となりうる行動や発言に対する意識をすべての人に高めてもらい、こうした状況を認識して回避するとともに、こうした状況を確認した場合に取るべき手順を理解する、または報告し、必要に応じて対応するよう努めてもらう。

してはいけないこと

  • 人格的、性的、または制度的嫌がらせまたは不適切な行動の報告を無視または最小限に抑える。
  • 達成が不可能な状況にある場合に、何があろうと目標を達成するよう従業員に要求する。
  • ハラスメントまたは不適切な行動の報告について、自分自身で調査を実施する。

実際の例1

チーム内のあなたの同僚の A が他の同僚 B に常に無視されていることに気付きました。B は A に挨拶することはなく、チーム会議への参加もさせません。また、時には他人の容貌について軽蔑的な発言をします。

  • 不適切な行動と感じたことについて、B や同僚と対話する。
  • A が上司または PDP と話し、倫理ホットラインにより報告することを勧める。
  • 自分の上司に自分が見聞きしたことを報告する。

実際の例2

あなたのラインマネージャーは仕事上の要求が厳しいです。マネージャーは、期待どおりに業務が行われなかった場合にはチームメンバーを公に叱責し、会議の途中で人を辱め、誰もが恐れやストレスを抱くような雰囲気を作り出します。これにより、チーム全体のモチベーションが損なわれる可能性があります。誰もがこのマネージャーを恐れているので、あえて何も発言しません。

自分自身でマネージャーまたは他の同僚と話をし、彼らの行動がモチベーションを害するとともにストレスを与えるものであり、結果としてチームに害を及ぼすことを伝える。

マネージャーがきちんと対応しない場合は、倫理ホットラインで報告する。これに加えて、ディベロップメントパートナーとの対話も行うことも考える。

対象となる人間が会社の中で高いポジションにあるという場合でも、その対象者が特別な保護を甘受できるものではない。さらに、会社の方針により、あなたはその対象者からの報復的な行為からは保護される。

実際の例3

チーム活動中、外部からの参加者があなたに対して不適切な行動を取ってきます。大声であなたをべた褒めにし、ずっとあなたの後を追いまわし、一緒に飲みに行こうとしつこく言ってきました。あなたは
非常に不快に感じており、業務を妨害されたと感じています。あなたは以下のことができます:

不適切な行動をやめるように強く言う。これは自分自身で言うこともできるし、精神的な安心感を得たい場合は、同僚と一緒に行うことも考える。

倫理ホットラインにより報告する。これに加えて、自分のマネージャーまたはディベロップメントパートナーとの対話も行うことも考える。

容認できない行動が悪化する前に止めさせ、他の人に同じ事が起きるのを防ぐことが肝要。

実際の例4

あなたは営業部で働いています。顧客の一人が職場外であなたとデートしたいと言ってきて、飲み会や夕食に何度かあなたを招待しました。あなたが招待を断った後、この顧客は、あなたが招待に応じない場合にはミシュラン製品の購入をやめるか数量を大幅に減らすと言いだしました。

 

上司に相談し、倫理ホットラインで問題を報告する。

これに加え、ディベロップメントパートナーに問題を報告することも考える。

実際の例5

あなたの同僚の一人が他の人々の背中を叩きます。この同僚はそれを友好的なジェスチャーと考えているようです。しかし、この行動に腹を立て、あえて何も言わない人もいます。

この同僚に、この行動は他の人にとっては不快でありいやな気分にさせる可能性があることを説明し、やめるように言う。

連絡先

  • 自分の上司
  • ディベロップメントパートナーまたは人事部のメンバー
  • 倫理ホットライン
  • ダイバーシティ・アンド・インクルージョンのマネージャー(一部の国)
  • セクハラ担当者(フランス)
  • 法務部